前置きなんて誰も読まないんだからとっとと始めちゃおう。
真っ先にこのゲームの話をさせてくれ。緻密に描き込まれたドット絵のグラフィック、心地良い音でゲームプレイを盛り上げているサウンド、シンプルな操作で爽快感と緊張感を両立するゲームデザイン、プレイヤーの成長に応えるステージ構成…
『ピコハンクライマー』は挑戦を生きがいとするゲーマーにとって最高のジャンプアクションゲームだ。
ゲームの概要を一言で説明するなら「ピコピコハンマーで山を登るゲーム」だ。プレイヤーはピコピコハンマーを振り下ろして地面をバシッ!と叩いた際の反動で、ジャンプする。このジャンプを駆使して山を登るのがゲームの主な目的となる。
ピコピコハンマーを駆使したジャンプアクション周りについてさらに詳しく説明しよう。地面を叩いてジャンプした後、着地する直前で地面を叩けば、連続でジャンプすることが出来る。連続でジャンプを決めると、より高いジャンプが出来るようになる。ぐーんと大きくジャンプするのは爽快だ。
ただし、一つ気を付けなくてはならないことがある。それはハンマーで叩くことの出来る足場やオブジェクト*1は一度叩くと消失し、着地するまで復活しない点だ。連続ジャンプは気持ち良いが、着地場所が無くなっていくため、大落下につながる危険性を孕んでいる。次々と足場を叩いて上へ上へとガンガン上がっていく爽快感と、着地できる足場が無くて下へ下へとヒュンヒュン落ちていく緊張感の二つを兼ね備えたアクションというわけだ。
『ピコハンクライマー』の基本的な流れは、ジャンプを駆使してステージを上へ登っていき、ステージ内に設置されている旗に到達することだ。旗に触れるとそのステージはクリア!次のステージへと移動する。全部で5つのステージをクリアすればゲームクリア!おめでとう!君は立派なクライマーだ!…もちろんその程度でクライマーを名乗ってもらっては困る。道中に設置されている「星」も集めてもらわないとな。
このゲームのやり込み要素として用意されているのが「星」だ。
数字の書かれた足場があるのが見えるだろうか。これらの足場を「着地せずに」かつ「数字の順番通りに連続で叩いていく」ことで、星を獲得したときのスコアが上昇する仕組みになっている。ちょっと分かりづらいかもしれないので、画像で少し補足しよう。
「1」の次に「3」を叩いてしまったり、「1」の次に数字の付いていないオブジェクトを叩いてしまったりするとスコアアップ失敗だ。もう一度着地してやり直さなくてはならない。
ちなみに、画像で紹介した箇所はゲーム開始直後の箇所だ。そのため、非常に簡単で分かりやすい作りになっている。これがゲーム後半のステージになると複雑さが増す。上にある「1」を叩いてから下に降りて「2」→「3」と叩かないといけない箇所があったり、数字同士が左右に離れて配置されているため左右に行ったり来たりしないといけない箇所があったりする。
この「星」の仕組みによって、プレイヤーにはステージ配置の知識、攻略ルートを描く計画性、そしてそれを実行するための正確なピコハン捌きが要求される。知略と技巧を極めた者のみが、ピコハンクライマーの称号を得るのだ。
おっと、話はまだ終わっていないぞ。ステージ配置への理解と正確なピコハン捌き、なるほど大事だ。だがそれと同じくらい大事なのが「速さ」だ。改めてこのゲームの流れを説明すると、「ステージに設置されている旗に触れたらステージクリア」→「5つ目のステージをクリアすればゲームクリア」だ。ステージをクリアするとクリアボーナスで「星」がもらえる。察しの良い方ならもうお気づきであろう。このクリアボーナス、クリアタイムが早ければ早いほど獲得スコアアップだ。
ようやくこのゲームの全貌が見えてきた。数字付きオブジェクトの位置を把握し、叩く順番を理解し、それを正確に、そして素早く行う!これが『ピコハンクライマー』というゲームだ。
とはいえ、このゲームはエンジョイ勢も歓迎だ。「ステージ内に設置されている旗に触れるとステージクリア」、と再三言っているがこの「旗」、実はステージの道中に設置されている。ステージは最後まで進まなくても大丈夫なのだ。ピコハンで連続ジャンプするだけでも気持ち良くて十分に楽しめるだろう。綺麗な景色を眺めつつ気楽な登山も悪くない。
だが、登り詰めたいのならそれもまた歓迎しよう。ジャンプ力を考慮して巧みに配置された足場やオブジェクトがあなたの振るうハンマーに応えるだろう。
頭には攻略ルートが叩き込まれ、指先には経験値が溜まっていく。登れ昇れその頂きへ。
→『ピコハンクライマー』を遊ぶ。
想定プレイ時間:10分程度
さて、この素晴らしいパズルゲームをどうやって紹介しようか…
一言で言えば、『倉庫番』×『ゼリーのパズル』だ。なに?どっちも知らない?じゃあ頑張って説明します…*2
『のびのび』はゴールに辿り着くのが目的のパズルゲームだ。可愛い目の付いた赤いブロックを操作して、赤いオーブに辿り着くことでステージクリアとなる。ちなみに移動はマス目移動となっている。
ゴールへの行く手を阻むのが、青、黄、緑、三種類のブロックだ。こちらも可愛いお目目が付いている。プレイヤーはこれらのブロックを押しのけてゴールへの道を作る必要がある。
そして最も大事な仕組みが、「同じ色同士のブロックが隣接するとくっついて一体化する」仕組みだ。この仕組みがもたらすゲームの広がりと奥深さは計り知れない。L字型にブロックをくっつけて邪魔なブロックを壁から引き離したり、巨大なブロックの塊を一度に動かしたりするなど、活用法は様々だ。もちろん「ブロックがくっついて一体化してしまったせいでゴールまで行けなくなった」なんてこともある。道を切り開く武器としても、行く手を阻む壁としても機能する仕組みなのだ。
同じ色同士がくっついて一体化する。とてもシンプルで分かりやすく、それでいて奥深い。最高じゃないか!
『のびのび』は現在、スマホ版を開発中とのこと。楽しみなパズルゲームがまた一つ増えたな。
→ 『のびのび』を遊ぶ。
想定プレイ時間:10分程度
プラナリアは扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜目に属する動物の総称。
高い再生能力を有していることで知られており、たとえ身体をバラバラに分割されたとしても条件が整っていれば小断片から完全な個体として再生する。
『増えてプラナリア』でプレイヤーがすることは至ってシンプル。プラナリアを切って、プラナリアを出来る限り増やす。ただそれだけだ。
プレイヤーが取り出したるは聖剣エクスカリバー*3。ゲーム画面には「切断予測線」が表示されているので、水槽の中を元気に泳ぎ回っているプラナリアが予測線と重なる瞬間を見計らって…ズバッ!一閃!真っ二つ!この切断演出がカッコ良くて気持ち良い。
切られたプラナリアはあっという間に再生して二匹に増える。プラナリアを切るチャンスは7回。一度に多くのプラナリアを切りたければ、タイミングを計るのが非常に重要となる。
切断を一回行うと、追加オプションを1つ選択することが出来る。オプションは以下の通りだ。
- プラナリアが泳ぐエリアが狭まる(3回まで使える)
- プラナリアが泳ぐスピードが遅くなる(3回まで使える)
- プラナリアを切る刃物の本数を1本増やす(3回まで使える)
- プラナリアを5匹増やす(何回でも使える)
ここがこのゲームの素晴らしいところなのだが、このオプション、「全部使いたい」。 いやマジで。泳ぐエリアが狭まるのはプラナリアを切りやすくなるから使いたい。泳ぐスピードが遅くなるのはプラナリアを切りやすくなるから使いたい。刃物の本数が増えるのは切れる数が増えるから使いたい。プラナリアを5匹増やすのは単純にスコアアップだし、プラナリアは倍、倍と増えていくので序盤に数を増やす戦略は有効だろう。
だがしかし、プレイヤーに与えられたオプション利用機会はたったの6回。あーもう全部使わせてよ~!!!
全部使えなくてフラストレーションが溜まったプレイヤーはどうするか?当然、もう一回プレイする。このゲームを一回遊んで「ハイ終わり」としたプレイヤーは相当少ないはずだ。「これ三回使ったらどのくらい効果が出るんだろう?」「最初にプラナリア増やしてから刃物増やした方が良さそうだぞ…!」とか色々試す。そうしたくなるゲームデザインなのだ。
悩ましさと、リプレイ性と、戦略性をもたらすオプションが上手い!
→『増えてプラナリア』を遊ぶ。
想定プレイ時間:3分程度
ヒトは地球上で繁栄している種の一つだが、それを助けたのが言葉であり、「文字」だろう。文字はコミュニケーションを圧倒的に容易くし、ヒトを一気に生態系の頂点へと押し上げた。『もじもじフラグメンツ』は、そんな「文字」を巧みに使ったゲームだ。
『もじもじフラグメンツ』は3人のプレイヤーが協力してお題ワードを答えるオンラインゲームだ。まず、3人のプレイヤーは回答者2人、出題者1人に分かれる。続いて、出題者だけにお題ワード*4が公開されてゲームスタート。回答者プレイヤー2人のうちどちらかがお題ワードを当てればステージクリアとなる。
回答者側のプレイヤー2人は、お題ワードを知っている出題者側プレイヤーに対して、「なんもじですか」「いきものですか」などと質問して出題者側プレイヤーとやりとりして、お題ワードが何かを推測していく。このゲームの文字入力システムは、一文字ずつクリックして文字を打っていく形式だ。これが中々にもどかしい。とはいえ、回答者側はまだいい。問題は出題者側だ。
出題者側のプレイヤーは入力できる文字に大幅な制限が掛けられている。お題ワードのヒントはおろか、受け答えすら困難なのだ。
回答者「なんもじですか」
出題者「がりねき」
回答者「いきものですか」
出題者「えぐげぁ」
みたいなことになりかねない。人間から文字を奪う、実に恐ろしいゲームである。しかし、希望はある。出題者側プレイヤーは時間経過で徐々に使える文字が増えていく。徐々にちゃんと喋られるようになるのだ。
回答者「がいねんですか」
出題者「ぃぃえ」
回答者「どうぐですか」
出題者「ぁぃ」
ギャルかきみは。しかし受け答えが出来てきているぞ。いい感じだ。
回答者「いえにありますか」
出題者「ぁい」
出題者「ぼぐぢぢつ」
出題者「ぼぐぢぢす」
なんか言い出したぞこの人。どうしたどうした。何が言いたいんだ?
出題者「ぼつぢぢす」
出題者「ぼつぢきす」
回答者「ほっちきす」せいかい!
あーなるほど!ホッチキスだったのかー!
この「相手が何を言いたかったのか分かった瞬間」あるいは「自分の言いたかったことが相手に伝わった瞬間」の面白さがたまらない。「伝わった!」という嬉しさや「なるほど」という納得、「そういうお題だったの!?」という驚きやらが一気に押し寄せてくるのだ。制限が掛かる中、もどかしい思いをしたからこその喜びだ。
→『もじもじフラグメンツ』を遊ぶ。
想定プレイ時間:10分程度
このゲームのサウンド、全部作者の肉声なんですよ。サウンド全部オレの声ってやつです。「ぴょん」「しゅぴーん」とか効果音は全部口で言うし、BGMだってアカペラで歌い上げてくるんですよ。でもまあそう驚くことじゃないです。いつものことだし。今回主張したいのは、ゲームデザインの話だ。
『HueRun Gaming』はステージに設置されているオブジェクトにゲーミング弾を撃って世界をゲーミング色に染め上げるランアクションゲームだ。特殊なワードが多くて意味不明だな^^;
落ち着いて一個ずつ説明していこう。まずプレイヤーの目的はステージの最後に用意されているゴールに辿り着くことだ。ゴールに辿り着くのはそれほど難しくない。このゲームはランアクションなため、プレイヤーは自動で画面左から画面右へとステージを進んでいく。そしてこのゲームではランアクションにありがちな落ちたらゲームオーバーになる穴が一切存在しない。割と簡単にクリア出来るだろう。従ってこのゲームをやり込んで楽しむ場合、楽しみはスコアアタックということになる。「クリアは簡単だけど、スコアアタックし始めると一筋縄ではいかない」そういう構成のゲームだ。
続いてどうやってスコアを稼ぐかだ。スコアの加算方法は二つ。
- ステージ道中に配置されているオブジェクトにゲーミング弾を当てる
- ゴール到達時に残っている「ゲーミングゲージ」に応じたボーナスをもらう
主に一つ目の「ステージ道中に設置されているオブジェクトにゲーミング弾を当てる」ことでスコアを稼ぐ。じゃあ道中に置いてあるオブジェクトにゲーミング弾をバンバン撃っていきたいところだが、そうもいかない。ゲーミング弾を撃つと「ゲーミングゲージ」を消費するのだが、「ゲーミングゲージ」が無くなるとゲームオーバーになってしまう。そのためゲーミング弾を考えなしに撃つことは御法度だ。
この「ゲーミングゲージ」はこのゲームの最も注目すべき面白い点だ。前述の通り、「ゲーミングゲージ」は無くなるとゲームオーバーだ。つまり、これはHP*5なのだ。しかし一方でゲーミング弾を撃つとゲージを消費するのだから残弾数、ショットエネルギー的な役割も持っていることになる。さらにこのゲームでは「ジャンプ」も出来るのだが、そのジャンプをするのにもゲーミングゲージを消費する。そしてステージをゴールしたときにゲーミングゲージの残量に応じたスコアボーナスが付く。
ゲーミングゲージに他の要素を全部まとめて詰め込むことで、ゲームが複雑になるのを回避している。そのうえ、「無くなるとゲームオーバー」「残した分スコアボーナスがもらえる」としたことで、闇雲にゲーミング弾を撃てば良いわけではなく、無駄撃ちしないようにしっかりとオブジェクトを狙って撃つ必要が出てくる。どこでどう撃つか、戦略性も出ているわけだ。
道中に配置されているオブジェクトも適当なようで意外と練られている。隠しルートの存在もニクイね。
→『HueRun Gaming』を遊ぶ。
想定プレイ時間:10分程度
ハイテンションハイスピード棒人間アクションミニゲーム、それが『オークションバトラーズ AUCTION BATTLERS』だ。プレイヤーは5つのミニゲームでマネーを稼ぎ、オークションで絵画を競り落とすのが目的だ。さっそく5つのミニゲームを紹介していこう。
まずは矢印キーを使ったミニゲームだ。四方向のうち、赤コインと青コインがそれぞれ一方向に用意される。青コインの方向に矢印キーを押してマネーゲットだ。赤コインを取るとマネーが減ってしまうので注意が必要だぞ。素早く判断してコインを取っていこう。
お次は路上でダンシング!指定されるコマンドを素早く入力して見物人からおひねりをもらおう。→→↑↑↓←space…!
ダンスの途中、なぜかいきなり地面に大穴が開いて地底に落ちてしまう。なんてこったい。しかし大丈夫だ。地底には叩くとコインが出てくるハテナボックスが何故か置いてあった。しかもハンマーも隣に落ちてる。ラッキー!A・Dキーを交互に連打してハンマーでハテナボックスを叩きまくって大量のコインをゲットしよう!叩くとコインが出てくるハテナボックス…おっとそれ以上いけない*6。地底を脱出してオークション会場に向かわないとな。
よし、地上に戻ってきた。と思ったら何故かここは西部の開拓地。しかしこれも問題ない。賞金首を捕まえてマネーを稼げばいいだけのこと。凶悪な賞金首ガンマン相手に早撃ち対決だ。画面中央にFIRE!の文字が現れたら素早くスペースキーを押してFIRE!
さあ、いよいよオークション会場に向かうぞ!おっと、その前にスロットでもやろうかな。リールの回転を見極めて目押しを決めてやろう。うっかりミスったら配当0倍!今までの努力が水の泡だが、上手くいけば配当3倍だ!そこだ!スペースキーでストップ!
ついにオークション会場に辿り着いたぞ。今までに稼いだマネーを叩き付けて競売品を競り落とせ!
各ミニゲームは非常に手触りが良く、触っているだけで気持ち良い。また、地味に良いのが「各ミニゲームで何をすればいいのか説明されなくても分かる」点だ。シンプルかつ直感的なので、どうすればいいのか迷わなくて遊びやすい。各ミニゲームをつなぐ演出も滑らかなアニメーションで表現されていてテンポが良い。とにかく明るくて楽しいゲームだ。ミニゲームを全部つなげて一つのゲームに落とし込む、という手法はかなり良いと思う。
→『オークションバトラーズ AUCTION BATTLERS』を遊ぶ。
想定プレイ時間:3分程度
ギャグとは全力を出さなくてはならないものだ。中途半端な気持ちでは人を笑わせることなど出来ない。「スベるかも…」なんて考えずにフルスイングするのが大事なのだ。
そう、ゾンビだらけの街なのに幼女がおつかいに出かける意味不明な世界観も、その幼女が何故か持っている護身用の銃でゾンビにヘッドショットをパンパンパンと決めるブッ飛んだ展開も、全力なればこそだ。
この全力のギャグに対して、真面目にゲームシステムの説明をするのは野暮ってものだ。もちろん、ギャグの解説なんてもってのほかだ。ここでこのゲームを取り上げたのは、アクセル全開なこのゲームに僕は大笑いさせてもらったことを表明したかっただけだ。
→『はじめてのおつかい』を遊ぶ
想定プレイ時間:10分程度
『隕星アルファルズ』はボス戦のみのシンプルなシューティングゲームだ。グラフィックとサウンド、演出のスゴさが図抜けている。というか、怒りすら覚えてくるレベルだ。ここまでクオリティの高いものを1週間で作られてしまうと、僕のような「なんちゃってゲーム開発者」の立つ瀬が無い*7。
奥行きを表現したシューティングゲームに馴染みが薄いのと、白と黒を基調としたアートスタイルが好きなのも相まって、グラフィックがとてもオシャレに感じる。本作のために書き下ろされたという使用楽曲は、無機質な印象を感じさせつつも静かな激しさをのぞかせるものに仕上がっており、シューティングゲームのボス戦にぴったりだ。また、楽曲はゲーム進行に合わせて変化するようになっており、サウンド演出が素晴らしい。
マウスのみの操作システムや何回もリトライ出来るシステムが遊びやすい点もいいね!
→『隕星アルファルズ』を遊ぶ。
想定プレイ時間:10分程度
『GrowCards』は木をいっぱい増やしてハイスコアを目指すカードゲームだ。プレイヤーに立ち塞がる脅威は天候。植えた苗が「洪水」によって全て流されたり、「落雷」で育てた木が焼き尽くされたりするのはガックリきてしまう。天候に振り回される「ままならなさ」はこのゲームの大きな特徴だ。だからこそ、その天候を上手く味方に付けて木を成長させられれば、してやったりだ。
最大まで育てた成木の「伐採」に成功するともうたまらない。天候の影響を一切受けない「木材」となって毎ターン必ずスコアを得ることが出来る。毎ターン必ずスコアゲットが保証されているわけでつまりはベーシックインカムみたいなもんですよ!ベーシックインカム!良い響きですね…ベーシックインカム。抱かれたい横文字ランキング1位のベーシックインカム。序盤でベーシックインカムを得たときのニヤニヤ感は素晴らしいもんですよ。うひひ、ゲーム終了まで毎ターンスコアゲットしちゃうもんね。
このゲーム、間違いなく『シェフィ』の影響を受けていると思うのだが*8、個人的には『シェフィ』よりも好きだ!というのも、『シェフィ』では妨害カードとして納得のいく表現が「狼」くらいしかなく、「隕石」や「シェフィオン」なんかは「おいおいなんでもありか?」とちょっと引っかかってしまう。一方で、『GrowCards』では「木を植えて成長させる行為」に対する妨害が「大雨」や「日照り」といった「自然の脅威」なわけで、ゲームのテーマとメカニクスが一致しているわけなのだ!細かな部分が「木」にならないんですよわっはっは!
→『GrowCards』を遊ぶ。
想定プレイ時間:3分程度
『ふえる飛空挺パズル』は飛空挺の飛行距離をどこまで伸ばせるかに挑戦するアクションゲームだ*9。プレイヤーは小さな赤い船長として、エンジンに燃料ブロックを放り込む役目を任される。燃料ブロックは黄色、水色、紫色の三種類。エンジンが要求する種類の燃料ブロックを放り込めばスピードアップ!どんどん燃料ブロックを放り込んで飛行距離を伸ばしていこう。
『ふえる飛空挺パズル』の目玉となる仕組みが、タイトル名通り「ふえる」ことだ。一定時間経つ毎に、飛空挺を構成するブロックがポンッ!と増える。
この仕組みにはときに助けられ、ときに苦しめられる。増えて嬉しいのはもちろん燃料ブロックだ。燃料ブロックが増えればそれだけスピードアップする機会が増える。逆に言えば、エンジンに燃料ブロックを放り込めるかどうかは、燃料ブロックが増えてくれるかどうかにかかっている。完全に運任せというわけだ。エンジンが紫色の燃料ブロックを要求しているのに、水色や黄色の燃料ブロックばかり増えてしまうこともしばしばある。自分が通ろうとしていた場所にブロックがポンッと増えて通れなくなってしまったり、触れるとゲームオーバーになる危険なノコギリ歯車*10が増えてしまうことだってある。ままならない。
ままならないのは操作でもそうだ。移動・ジャンプ(二段ジャンプ可能)・ブロックを掴む/投げる、3つの操作をスムーズに連携しなくてはならない。動きも中々にクセがある。慣性が強くてピタッと止まれないし、ジャンプも入力タイミング次第で大きく移動量が変化する。ブロックを掴む操作も、慣れるまでは思った通りのブロックを掴むのに苦戦する。
端的に、そして厳しく言ってしまえば「遊びづらい」のだ。じゃあ『ふえる飛空挺パズル』は面白くないのか?んなこたぁない。むしろとても面白い。
操作が思い通りにならなくて難しいからこそ、思い通りに操作ができるようになったときに大きな満足感を得られる。ランダム要素に振り回されて思い通りのプレイが出来ないからこそ、「次こそは!」とリトライするのだ。
はっきり言ってしまうと、このゲームは粗い。でも面白い。遊びまくってこのゲームに使われている「亡霊の女の子」という曲が大好きになったよ。
そもそも1週間で作られた無料で遊べるゲームに対して注文を付けるなんてゲーム制作者へのリスペクトに欠ける行為であって感謝こそすれどケチを付けるなんてもってのほかであり人間として恥ずべき行いであることを十分に自覚した上であjかえまpけじゃlkgじゃs〇×△□!?!!!
失礼。ヒートアップしました。
最後にちょっと触れておきたいのが、失敗演出の面白さだ。飛び続けている飛空挺が舞台なので下に落ちるとゲームオーバーなのだが、このとき、落ちたプレイヤーや崩壊した飛空挺の残骸がもの凄い速度で後方に吹っ飛んでいく。このダイナミックな感じが見てて面白い。また、エンジンが落ちると飛空挺全体が崩壊してゲームオーバーになる。こちらも派手な爆発と残骸の落下が儚い。崩壊の美しさのようなものを感じる。
ちなみに、掴んだブロックを捨てるアクションがあるのだが、エンジンを掴んで捨てるとエンジンが爆発して即座にゲームオーバーになる。大胆な自殺である。こういう地味な小ネタもお気に入りポイントだ。
→『ふえる飛空挺パズル』を遊ぶ。
想定プレイ時間:3分程度
ここからは一言コメントコーナー
ポップだけど、奥深い味わいのアクションパズルゲーム。
最後の仕掛けが素敵なパズルゲーム。
歩くだけ、でも面白いゲーム。
あの歯人魚を生み出した伝説のゲーム。
ステージクリア時のサウンドがめちゃ気持ち良い。
全体的な絵作りやサウンドの方向性が素敵。
リアルタイムで最適解が変化し、それに合わせてどう妥協していくかの判断が面白い。
オチの勢いに笑った。
時間切れになったときの対応がとんでもない力技でめちゃくちゃ笑った。
おっぱい。
90%に辿り着けない…!
u1wランカーズ*11の聖地、『フエルフエル』
収支計算しつつ集団を拡大していくのがとっても楽しい。
あとがき
フィニーッシュ!全部ちゃんと読んだ方、お疲れ様でした。
ここで紹介させていただいたゲームは、あくまで「僕が気に入ったゲーム」というだけであり、ゲームの優劣を決めるものでは無いことに気を付けてください。
この記事の大部分は、こちらの企画記事を読んだその日に書き上げられました。僕の執筆スイッチを入れてくださったNurikanさんにはこの場を借りてお礼申し上げます。
今回のゲーム投稿数は過去最大の500タイトル越え…!本来なら1週間とされている作品評価期間を2週間に延ばす処置が行われるなど、今後ますますの発展を予感させる盛り上がりでした。そして参加したゲーム開発者の方々、お疲れ様でした。1週間でゲームを作るのは容易ではないからこそ、それを成し遂げた皆様には深い敬意を表します。
それから、unityroomの管理人兼Unity1週間ゲームジャム主催者のnaichiさんにも、深い感謝を捧げます。多くの人達が1週間のゲーム作りを楽しめるのは、naichiさんがサイトを運営し、イベントを開催しているからこそです。
この素敵なイベントがさらにちょっとでも盛り上がれば良いなと思って、僕はこうした記事を書かせて頂いています*12。この記事を読んで、自分の気に入ったゲームの話をする人が「ふえる」と嬉しいですね。それでは今回はこのへんで…
おしまい
*1:プレイヤーが干渉できる物体のこと。ここではハンマーで叩ける物体を指す。
*2:この文章を読むよりも実際に遊んだ方が早いんだけどね…
*3:そんな設定はありません。
*4:「あか」「やきゅう」「さんすう」など。
*5:ヒットポイントの略称。多くのゲームで扱われている要素で、体力や生命力を表す概念。
*6:ハテナボックスって言っちゃった時点でもう相当危ない橋を渡っている気がするが。
*7:unity1weekには参加してないけどな!
*8:もし受けてなかったら開発者のdaijoさんは天才ゲームデザイナー!
*9:タイトルでパズルって言ってるけど、実際はアクションだ。
*10:そもそもなんでこんなものが飛空挺にあるんだよ。
*11:unity1weekに出没する謎の集団。ランキングの上位を目指すことを生きがいとしているらしい。
*12:もちろん、単に気に入ったゲームの話がしたいって面も大いにありますが。