がむしゃらメモ

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『動かぬ未来を踏み越えて』制作振り返り

 最初noteに書いてたんだけど、なんか自分のブログに閉じこもりたくなったのでこっちに移すことにした。

 

 ゲームを作ったので振り返る。今回作ったのは『動かぬ未来を踏み越えて』というゲーム。選択肢を選ぶだけでゲームが進行するテキストオンリーアドベンチャーゲームだ。

 

※ゲーム内容の核心的なネタバレを含みます

※必ずプレイしてからこの記事を読んでください

※この記事を先に読んでしまい、初見プレイの楽しさが永久的に失われたとしても僕は一切の責任を負いません

 

 

はじまり

 ←__→というゲームを遊んだ。

 

これを遊んで思い付いたのがこれ↓

 【選択肢を次々に選んでいく+テキストオンリーのゲームブックっぽい感じ】というネタ。このツイートはまあまあ反響がよかったので、作れるようなら作りたいと考えていた。

が、ちょっと考えていくつか問題があると感じた。

①プレイヤーは何者?
②プレイヤーの目的は?
③ゲームオーバーになったのにしれっと最初から再開するの?
④それ最終的に総当たりになって面白くないのでは?
⑤この世界なに?
⑥そもそもおもろいかこれ?

主要な問題はこの辺り。まあ、問題というか、実際に作るなら当然考えなければならないポイントだ。このネタを思い付いた一年半以上前の自分は、少なくとも問題の半分くらいには解答を用意しないと作り始められないと思った。軽く考えてすぐに答えが出せなかったので、当時は制作を見送った。ていうかそもそも別のゲームを作っている途中だった。

 

そんなわけで、制作を見送る。時は流れる。

 

このネタはずっと消化したいなと思っていた。というのも、このゲーム──テキストアドベンチャーゲームは、僕が今までに一度も作ったことのないジャンルのゲームだったからだ。なんなら遊んだこともほとんどない。たまには少し踏み出してみたいなと思っていて、そのためのゲームとしてこのネタはよさそうに思えた。

 

しかし諸問題を解決する方法がパッと出てこない。たまにちょっと考えてすぐ放り投げる日々を過ごした。でもやっぱり作ったことのないジャンルだから作ってみたい。でも問題が…

 

時は流れる。

 

 他のゲーム作ったり作らなかったりしつつ、日々を過ごした。そしていい加減にこのネタをやっつけたいと思い始める。これが2021年の7月頃のハナシ。しかしすぐ諦めてまた1ヶ月飛ぶ。

 

8月に入ってから粘り出す。期間が空きつつも考え続けた。

 

8月下旬頃、ついに決める。

 

「完璧なアイディアを求めるのは、やめよう」
「どうせ思い付かないんだから、そこそこのアイディアで作ろう」

 

ここでようやく大きく手を動かし始める。

 

制作

 自分が決めたそこそこのアイディアは以下のとおり。

・操作キャラクターは記憶喪失
 →これでプレイヤー=操作キャラクターにして一体化・共感を狙う

・エンディングに辿り着くと最初に巻き戻る
 →ゲームプレイのやり直しを設定に組み込む

・実際は巻き戻っているのではなく未来を見ていて、その代償に過去を失っている
 →これを解くのがプレイヤーの目的になる

これらの主なアイディアを元に、徐々に目的地やプレイヤーを取り巻く現象の正体に気付けるようなものにしようと考えた。

北・西・東・南の四方向のいずれかを選び、その先でイベントに遭遇していく、という流れは最初のネタ段階であったものなので、それを本制作でも採用した。北・西・東、それぞれでヒントを得て、それらを駆使して南の最奥に辿り着いたらクリア、という構造にした。

 

で、実際のテキスト制作……

これがまた苦戦しまくった

 

 というのも、僕の引き出しがあまりにも少なすぎた。まったく出てこない。世界観なんてそれっぽい西洋ファンタジーみたいな感じにするしかできなかった。とにかく思い付かない。

方角で舞台を分けるのは当然の考えとして、北が山と王国、西が砂漠と寂れた小屋、東が街道(平原)と港町、南が森と古代遺跡なのはわりとすぐに決まった。が、肝心の中身がなかなか苦戦した。

特に苦戦したのが北の泉と、街道の商人のイベント。まったく出てこなかったので諦めた。内容が薄い部分は諦めてしまったところ。

最初に「最低でもこのくらいのテキスト量は必要だ」とイメージした量がそのまま完成版のボリュームになった。個人的にはもう少し増やしたかった。ていうかそもそもワクワクするような文章が書けない。

 

こういうとき、ゲームしか──自分の好きなゲームしかやってこなかった自分は弱い。引き出しがあまりにも少なすぎる

 

 そんなわけで、苦戦しつつ、ときに放り投げて違うことしつつ、一ヶ月くらいで最低限必要だと考えたテキストが揃い出す。ここで本格的にUnityに移し始める。北のエリアのネタだけ最初に少しUnityに移して、あとはメモ帳でひたすらネタを書いていた。

Unityに移し始めてからはエンジンがかかってきた。ここからだいたい10日くらいで移動・巻き戻し・クリア演出など・音楽を実装して完成までもっていった。やっぱり素材だけ作ってるとテンション上がらないね

今回作ってて一番テンションが上がったのは砂漠の曲できたところ。なんかたまたまできてスゴいそれっぽい感じに仕上がった。

 

作った時点での反省ポイント

 まだ人に遊んでもらっていない段階での反省。

 

遊び続けるモチベーションがない。よくわからないまま離脱される可能性が高い。まあ、ここは割り切っているけど…にしてももう少し工夫の余地があるだろう。周回数に応じて段階的に解放される情報・ヒントがあるとか

 

1エリア1ヒント、南に三つの防壁、という構造は自分は知っているが、プレイヤーは知らない。この結果、森を越えたくてひたすら東を当たる、みたいな展開で疲弊して離脱されるかも。この規模くらい我慢してくれ。がマイアンサーだが……東のルートで、北のヒントのヒントが手に入る、みたいな構造が出来ていれば…

 

苦労する選択肢、ゲーム進行に価値が無いのがよくない。こんだけ頑張ったけど、ゲーム進行に一切貢献しない;;とほほっていうパターン。なんならゲーム以外にも価値が無いのがもっとよくない。これも離脱率を高める。割り切ってるけど!

 

もっとボリュームがあれば楽しそう。ただし、そうすると意味のない選択肢がどんどん増えていく。意味と価値が一体化したシーンを量産するのが難しい。そんなこと可能なのか?

 

今のシステムだと終わったら最初からなので、一長一短。ただし、巻き戻り開始演出はプレイヤーの意志でコントロールできないのでストレスが溜まる。これも離脱率を高めそう。読ませてくれ!(まだ戻りたくない!)と、プレイヤーとアレックスの気持ちを一体化させる狙いがあるけど、さすがに不快で離脱率を高めそう。

 

文章内容を知っている自分と、知らないプレイヤーでは読むスピードに差が出る。その結果、読めなさすぎてストレスが想定よりも強まってしまうかもしれない

 

音楽がすぐ切り替わっちゃう。これは難しい。一個のテーマ曲でその中で不穏状態に変化する、みたいなのが出来るのが理想ゼルダハイラル平原みたいな感じで。あと、不穏時のイントロ(と言っていいのかアレ)が長すぎた。

 

これどういうこと?って言われそう。プレイヤー=古代人のミスリードみたいになっている。意図しているならいいけど、これは意図していないので……まあ、一文足したのでセーフだろうたぶん。

 

あまり魅力的なイベントがない。想像の範疇に収まる感じで、おどろきがない。提示→予想、を越える解答を見せられていない。説明台詞なところ(迷いの森のヒントとか)が多い。これもよくない。

 

ここまで開発後&公開前に書いた

 

公開後の反応

 まずそもそも公開したつもりができていなかった。とんでもないミスである。信頼をゼロにしかねないおこないだったと思うので、深く反省している。ちゃんと確認しろバカタレが!!!!!!

 

反応自体は上々なのかな。といっても、たぶんプレイヤーは主にツイッターのフォロワーで、僕のゲームを既に親しんでくれている人がほとんどだと思う。なのでそんなに厳しい意見を言う人がいるわけもないので、そりゃ反応もよくなるよねって。(ひねくれた見方でごめん)

これを書いている時点では、unityroomの評価数9件で、絵作り以外平均4点越えている。絵作りは評価しようがないもんねこのゲーム。絵がそもそも無い。

何人かにちゃんと伝わっているみたいだし、よかったんじゃないかな。たぶん。

 

おわり

 そんなわけで今回の制作は終わった。制作中に「ゲームのストーリーとは」「プレイヤーとは」「選択とは」「やりなおしとは」とかつらつら考えてた。

 

t.co

ぼんやり考えてたことが、公開してから読んだこの記事で全部言われてたのでめちゃくちゃ感動した。アドベンチャーゲームはほとんど遊んだことがなかったけど、やっぱりプロはもっともっとずーーーっと先を行っているんだなあと。スゴい!この記事に出てくるタイトルもいつか全部やりてえな。

 

 

おしまい