Steam、よく聞くプラットフォームだけど今まで手を出したことが無かった。情弱のコンシューマーゲーマーなので、パソコンでゲームやるとかよく分からんし…みたいなところがあった。でもまあ、最近はUnity1週間ゲームジャム、itch.ioなどパソコンでゲームをやる機会が増えたので、食わず嫌いせずにやるかー。今後遊びたいゲームがSteamで配信になることだってあるだろうし。
そんなこんなでSteamのアカウントを作り、手始めに購入したのが、セール中でお安くなっていたPortal Bundleでした。Portal、Portal2が入ってお値段たったの120円。安すぎる。
Portal、名作と名高く、タイトル自体はよく聞くけど、実際どんなゲームか一切知らなかったので、ちょうど良い機会でした。実際に遊んでみると、めちゃくちゃ面白くて一気にエンディングまで遊んでしまいました。
どこでもドア+通りぬけフープとかいう天才のアイディア
このゲームのメインアイディア、ポータル。壁、床、もしくは天井にゲートを一つ作り、その対となるゲートを同じく壁や床、天井に作る。そして、その二つのゲートは繋がる。さながら、ドラえもんに出てくるひみつどうぐ、どこでもドアと通りぬけフープを組み合わせたようなシステムだ。
ゲートは弾を撃って作るので、対岸の壁にゲートを作り、真後ろの壁にもう一方のゲートを作って即座に対岸に渡るなんてことも出来てしまう。合わせ鏡のような無限ループ構造も作れる。無限ループ構造を天井と床を使って作ると、無限に落下し続ける地獄のような体験が出来てしまう。
前方に見えているのはプレイヤー自身の背中。合わせ鏡のような無限ループ構造が形成されている。
自分の背中や側面が見られたり、ゲートの繋げ方を工夫して水平方向に落下したり、とにかく刺激的な体験が出来る。Portalはジャンルとしてはパズルゲームで、ともすれば地味になりがちなパズルを、その刺激的なゲームプレイによって斬新なプレイ感覚にしている。
遊びの見せ方、組み合わせ方が上手い
もちろん、いかに優れたアイディアでも、それだけで面白いゲームになるわけではない。Portalはそのアイディアの見せ方や、組み合わせ方が非常に上手い。
Portalの遊びを大別すると恐らくこんな感じだ。
- ゲートを駆使して移動する
- ブロックをスイッチまで運ぶ
- エネルギー弾を指定ポイントまで誘導する
- 軍事用アンドロイドを倒す、もしくはやりすごす
大体この4つだろう。案外多様な体験ではないし、実は同じことを何回もやっていたりする。特に、落下の位置エネルギーを水平方向の運動エネルギーに変換してダイナミックに移動する遊びは、作中で度々登場する。しかし、飽きない。上手いこと他の遊びを織り交ぜて、プレイヤーが忘れつつある頃にまたやらせるからだ。
同じく、進捗の見せ方も上手い。最初からテストは19個あると見せておき、ちょっと飽きてくる辺りで実弾をぶっ放してくる軍事用アンドロイドを投入してくる。同時に、それまでの白い壁とは違う、錆び付いた壁のダークな舞台裏もチラ見せしてくる(しかもここでしゃがみのチュートリアル)。
そしてテストが19個終わったら問答無用で殺そうとしてきて、そこから抜け出すと今までチラ見せしてきた風景がメインになる。白い壁ではなく、錆び付いた赤茶色の壁が主体となってプレイ感覚を変えてくる。最初から見せてきた19個のテストというフォーマットをぶっ壊して、先の見えないゲームプレイに大胆に変更してくる。実際、これにはやられてしまった。ここからもう先が気になってぶっ通しでエンディングまで行ってしまった。
遊びの組み合わせ方も上手い。特にブロックは、他のオブジェクトと絡んで非常に多様な遊びを生み出している。
- スイッチを起動させる
- 段差にする
- 盾として使ってエネルギー弾を防ぐ、ぶつけて向きを変えさせる
- 軍事用アンドロイドに対して、遮蔽物&武器として使う
非常にエコ。
レベルデザイン感心ポイント
個人的に面白いと思ったところを書いてみる。
・段階を踏んで覚えさせる
基本かつシンプルだけど、しっかりやってる。
- ゲートっていうのがあるよ
- ゲートを一つ作れるようになったよ
- ゲートを二つ作って繋げられるようになったよ
ちゃんとプレイヤーの理解に沿って順序立てて用意されているのが、良いね。
・実は下に足場があった
このゲーム、よく周りを観察してみると答えがあることが多かった。特に良かったのがここ。
どうすればいいんだ…?あっ!足場あるじゃーんってなりました。ここの部屋、初め入ったときはプレイヤーの視点の高さより上の方に、何体か軍事用アンドロイドが配置されているので、下はあまり見なかったりする。そういうのも恐らく開発者の掌の上。あと、入るときの壁の操作も伏線。気持ち良い。
・ロケット登場後の通気口に入るとこ
ロケットという新しい要素を、既知の要素に繋げるのが秀逸。
ロケットも見せ方が上手くて、
- 最初絶対プレイヤーには当たらない&ガラス破壊出来ることを教える
- 次、プレイヤーが誘導出来ることを教える
- ゲートを使って別の部屋にロケット弾誘導
という流れを作っている。段階を追って遊びを深めつつ、ロケット弾でガラスが破壊出来ることを執拗にアピールしていく。通気口のところで、あれ?登れないぞ?と一度足を止めさせて、背景だと思って通り過ぎたところに目を向けさせる。そこで、ブロックを運んでいる「ガラスで出来た運搬路」がある。ガラスで出来た運搬路は、一度割れたところをプレイヤーが通ったことがあって、それが伏線になっている。あ~~上手すぎる…
その他、ほとんどFPS初プレイの自分でも快適に遊べた辺り、かなり丁寧に作られていると思われる。ゲートを使えばほとんど瞬間移動が出来てしまうが、それでも自分が今どこにいるのか把握にあまり困らなかった。多分、これも色々工夫していると思う。オートセーブも細かくやってくれるので、たまにゲームオーバーになってもリトライが苦にならない。
また、はたらくUFOを遊んだときも思ったけど、ゲームプレイ体験を変えずに、ボス戦を作っているのが感心する。
まとめ
- どこでもドア+通りぬけフープとかいう天才的アイディア
- そのアイディアを適切に活かすギミック、レベルデザイン
- 不気味で先の気になる世界観の見せ方
遊んで納得、こりゃ名作だあ。これが60円って頭おかしいだろ。Portal2も近いうちに遊びます。
おわり