がむしゃらメモ

がむしゃらのメモ的な扱いのブログです

ゲームの「戦術・戦略」について思ったこと

※思考の吐き出し
※目的なし,オチなし

 

 先日、こんな記事を読んだ。

タイトルどおり、どうすればターン制バトルで『戦術性』を作れるか考察した記事だ。内容は大変素晴らしかった。

 

読んでから言っても説得力ないが、僕も小さいターン制バトルを二本だけ作ったことがあるので、「そうそう。そうだよね~」と歩いたことのある道を再確認するような読みかたになった。読んでから言っても説得力ないが!

 

まあ、こうした多くの人が漠然と認識しているであろうことを明確に分かりやすく、深く言語化しているのがスゴいのである。明瞭すぎて読んでて気持ちよくなったもん。

 

さっそくハナシが逸れた。

 

なにが言いたかったかというと、「戦術」と「戦略」について僕は以前からぼんやりと考えていたってことだ。そしてさきほどの記事を読んだことで再び思考が活性化した。その結果、ちょっと頭の中に考えが溜まりすぎたので、今回こうやって記事にして吐き出そうとしているわけだ。

 

そういうわけで、いまから書くこの記事に目的はない。結論もない。ただ、僕がぼーっと考えたことを吐き出すだけである。前置きとしてこれが言いたかった。

 

「戦術」と「戦略」とはっ!

 そもそも「戦術」ってなによ?「戦略」ってなによ?なんなのよ?というハナシである。ここで僕が考えた定義を持ち出す。

■戦術:短期的で一部で、実行する部分を指す
■戦略:長期的で全体で、準備する部分を指す

めちゃくちゃフワッとしたこと言い始めたなコイツと思ったアナタ、正解だ。この記事に目的も結論もないのだから、フワッとしているに決まっているだろうが!

 

それ「戦術 / 戦略」か?と突っ込まれるとなにも言えなくなってしまうが、この記事でそのテの議論を展開するつもりはない。僕がルールだ。

 

とりあえず、短期的かつ局所的な実行を「戦術」、長期的かつ全体的な準備を「戦略」と呼ぶ。呼んでしまう。

 

 

戦術と戦略から見るゲーム

 じゃあこの考えから、ゲームを見てみる。

■戦術性が高くて、戦略性が低いゲーム
 ・『Into the Breach』
 ・『リトルタウンヒーロー』
■戦術性が低くて、戦略性が高いゲーム
 ・『信長の野望』みたいなシミュレーションゲームとか
■戦術性も戦略性も高いゲーム
 ・『Slay the Spire』
 ・『勇者のくせになまいきだ』シリーズ

またフワッとしたこと言い出したなコイツと思ったアナタ、正解だ。僕はなんとなく生きている。

 

こうやって「戦術・戦略」の視点でゲームをテキトーに分類した結果、僕は戦術性が低くて戦略性が高いゲームに魅力を感じないことに気付いた。

 

【戦術性が低くて、戦略性が高いゲーム】項目がフワッとしているのは、そもそも魅力を感じなくてこのタイプのゲームを遊ばないからだ。遊んでないので、知らない。だから取り上げられない。

 

 

戦略性が高いゲームに魅力を感じない理由を考えてみる

 なんで魅力を感じないのか、理由は三つ。

①全体を俯瞰する必要がある
②フィードバックが遅い
③損しやすい

 

①全体を俯瞰する必要がある
 当然だが、「上手いプレイがしたい」欲求があるのが前提だ。戦略性の高いゲームで上手いプレイをしたい場合、全体を俯瞰する必要があるよね?

 

極端なハナシかもしれないが、『Slay the Spire』をクリアしようとするなら少なくともステージが3つあることは知っていていないといけない。ゴールを知らなければ、そこにたどりつくための方法は考えられない。当たり前のハナシだね。

 

それから、まあ、いろいろと、必要な情報がある。

・カードの内容
・カードを強化したときの性能
・レリック
・状態異常の特性
・コンボとシナジー
・各層の?マスで起こるイベント
・各層の敵の種類
・敵のHP
・敵の行動パターン
・敵が落とすゴールド
ポーションの入手確率
・ショップで手に入るカード
・ショップで手に入るレリック
・ショップで売られている商品の値段

キリがねえや!もちろん、全部知っておく必要があるわけではない。が、高レベルになって上手いプレイをしたくなるほど必要になってくるのは間違いない。

 

判断の根拠となる情報を知らなければ、自信を持って判断できない。

 

 

②フィードバックが遅い
 そもそも上手いプレイ──高度な戦略的判断をするためには全体を俯瞰し、情報を集める必要がある。前準備の段階からしてちょっとしためんどくささがある。

 

それに加えてフィードバックの遅さである。

 

またしてもSlay the Spireを例に出してしまうが、このゲームのゴールは3層ボス撃破もしくは心臓撃破である。このゴールに至るまでに無数の判断をする。このとき、1層でくだした判断が最後のバトルに影響してきたりするわけであるいやそんなん認知できなくない?ムリだって

 

情報を集める→仮説を立てる→立証の準備をする→実行する→結果が出る。フィードバックが遅い!

 

結果として、どの判断が成功 / 失敗だったのか分からなくなる。成功と失敗が明確ではないゲームは難しくて苦手

 

 

③損しやすい
 全体を見る必要があり、フィードバックが遅い。となると、いま失敗しているかどうかの判断が鈍くなる。したがって、損しやすいと思う。

 

つまり、「それ先に言ってよ~~~!」が発生しやすい気がする

 

育成要素のあるゲームで特定のキャラクターに成長リソースを注いだものの実はそのキャラが弱キャラだった、みたいなパターン。

 

キーファに種を食わせた人、スライムのかんむりをキングアックス錬金素材にした人、いまもどこかで悲劇は生まれているんだよ!

 

 

こういった失敗を何度も繰り返して成功をたぐりよせていくのがゲームの醍醐味なんだけどね。ただ、アクションゲームのように実行難易度がチャレンジになるわけではなく、知っているか知らないかが前提として重要になってくるのがツラいところ

 

そして知るための努力がめんどくさい。だから苦手。

 

 

ゲームを作るときに考える「戦略」

 ちょっとだけゲーム制作方面に思考が延びたのでそっちも触れる。あ、別に販売戦略とか開発戦略とかそういうのじゃないヨ

 

ゲーム制作者は作っているタイトルの戦略的判断に必要な情報が揃っている。当然だ。だって自分で作ってるんだもん。(大規模ゲーム開発だと当てはまらない可能性が高いけど、その可能性は無視する)

 

制作者は1から10まで知っている。でもプレイヤーは1から学んでいく。この事実をうっかり認識し忘れるとひどいことになるので気を付けたい。

 

開発者「このボスはA行動のときに2フレームだけ攻撃チャンスあるので楽勝ですよ^^」
プレイヤー「分かるかボケェ!」

めちゃくちゃテキトーに例を出したので、こんなことないかもしれんが、これに近いようなことが起きるのである!

 

ちなみに僕はしょっちゅうやらかしている。

 

「こんなアホなことするやつおらんやろ」と思うかもしれない。しかし、かの国民的RPGの『ファイナルファンタジーシリーズ』でたびたび発生していると言われるラストエリクサー症候群】はコレが原因の一つではないかと思う。

 

制作者は「このボスは強いから使ったほうがいいぞ~」とか「このあと手に入るからここで使ってもいいぞ~」とか思っていても、プレイヤーはそれを知らない。

 

プレイヤーからすれば「このさきにもっと強いボスが出るかもしれない」とか「このアイテムはもう二度と手に入らないかもしれない」とか考えるわけだ。全体像が見えていないので、踏み出せないのである

 

ラスボス戦なら使う?いやいや、裏ボスがいるかもしれないだろうが!
ラスボス戦で使ったアイテムはエンディング後に未消費のデータに戻る?いやいや、消費したことになるタイプのRPGかもしれないだろうが!
(まあ、ラストエリクサーを使わないのは、たぶん、パーティー全体のHPとMPを全回復したいシチュエーションがそもそも少ないのが一番大きな理由だろうけどな!)

 

 人間、たいていは「損したくない」と考えるのがふつーだと僕は思っている。したがって、ラストエリクサーの使用タイミング】みたいに戦略的な判断が求められるゲームプレイは一般ウケしにくい。たぶん。

ラストエリクサーを上手く扱える人は会社経営とか向いてると思う。先を見据えた判断力とか思い切りのよさとか、そういう資質ね。

 

 このハナシは別にRPGに限らない。アクションゲームでも、【ゲージを溜めて放つ必殺技の使いどころ】とかで似たような現象が発生しかねない。特に【ゲージを溜める機会が少ない+燃費が悪い】場合、戦略性が高くなる

なにが言いたいかというと『メトロイド サムスリターンズ』のエイオンアビリティがそうだったねっていうことが言いたかった。サムスリターンズは難易度が高いとよく言われている。これはアクション自体の難易度以外に、エイオンアビリティの戦略的な使いかたが求められる点が難易度の高さに一役買ったように思う。

 

 

戦略性が高くても遊んだゲーム

 ゲーム制作における戦略要素を考えたところで、「じゃあどうすれば戦略性の高いゲームを遊ぶようになるのか?」、少し考えてみる。

 

戦略性が高いと自分で思うけど、しっかり遊んで楽しめたゲームがある。さっきの例にもさんざん出たSlay the Spire、あと勇者のくせになまいきだシリーズ。この辺りのタイトルはめちゃくちゃ楽しんだ。

 

Slay the Spireの場合、戦略がテキトーでも運が良ければコンボやシナジーが発生する。そのときに生じる快感が素晴らしく気持ちいいので、「もっかいやってみるか…!」につながる

 

勇者のくせになまいきだの場合、このゲームの戦略要素は大雑把に考えて

「どの魔物メインで攻略するか?」
「どうやって掘パワーを集めるか?」
「どのタイミングで魔物強化するか?」

辺りになると思う。この戦略的課題、戦術的大勝利で壊せる。つまり、1ステージ目で莫大なボーナスを得ることができれば、掘パワーは無尽蔵になるし、好きに魔物強化できるわけだ。

 

戦術要素で戦略要素を崩壊させるのはアクションRPGでも起きることだ。本当ならちゃんとレベル上げて装備整えてボスに挑まないと勝てないところを、アクションの上手さがズバ抜けていた場合、低レベルノーダメージクリアしてしまう。バトル前の準備(戦略)をバトルの上手さ(戦術)で無視する。

 

というわけでまとめると、

・そもそも戦略要素以外の部分で魅力がある
・戦略要素を戦術要素で壊せる

戦略性の高いゲームは、別に戦略要素を楽しんでいないという結論に至ってしまいました。オイオイ。

 

なぜ魅力を感じないのか?(買わないのか?)を考えるのは結構面白かったので、今後もちょくちょくやろうかなと思う。

 

 

この辺りで思ったことはだいたい吐き出した。

最初に宣言したとおり、特にオチもなく終わる。

終わるっ!